塾の授業がわからない、机に向かえない。こうした状況で「偏差値」を気にするのは、一度横に置きましょう。
偏差値とは、いわば「その塾のシステムにどれだけ適応しているか」の位置づけです。低学年から積み上げてきた子たちの「精度の高い学習習慣」は、一朝一夕でひっくり返せるほど軽くはありません。
まずは高いビルを建てる(偏差値を上げる)ことを目指すのではなく、「自分が安心して住める家(基礎学力)」を作ることから始めましょう。
塾は例えるなら、野球もサッカーも水泳も、あらゆるスポーツを同時に習わせようとする場所です。しかし、今の状態ですべてをこなそうとすると、どれも身につかずにパンクしてしまいます。
入試に最低限必要な「公式・解法」を一つずつ習得し、記憶に残ることを最優先しましょう。これはどこを受けても必要です。そこから先は志望校に必要なことだけを習得しましょう。
遅れを取り戻そうという焦りでなく、どこの道を通れば時間内にたどりつくかを考えます。
成績が伸び悩む最大の原因は、「一つ覚えると、前を忘れる」負のループです。
学習に不慣れな子は、問題を読み、丸をつけるだけで大きなエネルギーを消費します。
「新しいもの」より「繰り返す」方が、消費エネルギーは少なくて済みます。できることを繰り返してるうちにエネルギー量も増えていきますので、自然と新しいことも吸収できるようになります。
「繰り返し」を効果的にするために、間違えた問題をコピーしてノートに貼る作業(手書きも可)を推奨します。
作成ノートに解説を自分なりに書き足し、何回も見る前提で「自分だけの説明書」を作ります。
重労働ではありますが、授業についていけない子の多くは、単に忘れるだけでなく「やったこと自体がリセットされる」という状態にあります。何度説明しても本人は「初めて聞いた」という感覚で受け取ってしまうため、記憶に頼る学習は成立しません。定着できる理解力がついてくれば作業の簡略、省略化などやり方を変えても良いでしょう。
「やる気があればできる」というのは大人の理論です。
可能性を信じることは大事ですが、分野によっては知識や理解の土台が本当にゼロで、「考えて」というのがどういうことかわからない場合があります。
ノート作りという一例をあげましたが、作成を親が手伝う(コピーと貼り付けなど)、わからないところを講師に聞くことが必要になってくるでしょう。
私立は「高い基準で自学ができる生徒」が欲しいために入試をします。子供ひとりで立ち向かうにはなかなかのハードルです。
どのくらい子供と過ごす時間があるか、どのくらい塾のフォローがあるかは様々と思いますが、そこの環境を整えられないとなってしまうとなかなか厳しい受験になってしまうと思います。せめて塾が合っているか、個別指導が必要かという議論はするべきと思います。